ヒナフキンの縄文ノート

スサノオ・大国主建国論から遡り、縄文人の社会、産業・生活・文化・宗教などの解明を目指します。

縄文ノート174 縄文社会研究会・東京:公開講座『縄文は母系制社会であった』報告

 はてなブログの「縄文ノート174 縄文社会研究会・東京:公開講座『縄文は母系制社会であった』報告」を転載します。https://hinafkin.hatenablog.com/

 7月19日、縄文社会研究会・東京の公開講座(神田:サロンド冨山房Folio)では、尾島俊雄早大名誉教授(都市環境工学)の「八ヶ岳山麓の縄文社会」の講演に続き、私は「縄文は母系制社会だった~『日本中央部縄文遺跡群』の世界遺産登録を考える」の講演を行いました。

 ウクライナ戦争を契機として、「縄文ノート172 女と男の『共同体・食・家族・民主主義・自由・平和・宗教』」(7月8日)において、私は「民主主義・平和・宗教」には男の戦士社会」と母子の「生活者社会」の2種類の原理があるという整理を行いましたが、その根拠となる歴史分析について書いてきたものをまとめました。

 アフリカでの人類誕生から海神信仰・地母神信仰・天神信仰を持って日本列島にやってきた縄文人、さらにはスサノオ大国主一族の米鉄交易と母系制社会の妻問夫招婚、八百万神(鬼神)信仰による紀元1・2世紀の百余国の平和的な統一、さらには3世紀の鬼道(霊(ひ)信仰)で30国を統一した女王・卑弥呼(霊巫女)の邪馬壹国などの女王国の歴史をたどり、4大文明のみならず日本文明においても元々は母系制社会であり、その影響が現代にも残っていることを明らかにしました。

 「オスザルがサバンナで石槍で狩猟を行って人類が誕生し、大型動物を追って世界に拡散し、肉食と闘争・戦争によって進化した」という男中心・戦士中心・西洋中心・旧約聖書史観に対し、「人類は母と子のおしゃべりと糖質・DHA食により2・3歳までに知能を発達させ、半身浴による魚貝・小型動物採集により直立歩行と手の機能を向上させ、さらに女・子どもは火の使用と採集・栽培・調理用の木器・骨器・石器道具の開発を行い、好奇心と冒険心に富んだ子ども・若者が人類拡散を進めた」という生活者中心の「母系制社会進化説」に私は到達してきました。

 ウクライナ戦争などの戦争・地域紛争、気候変動と食料危機、格差拡大と対立の激化など、現代文明の行き詰まりは父系制社会の戦士の論理で解決することは困難であることが明らかになってきており、「共同性・食・家族・民主主義・自由・宗教・平和」の基本原理の全てにおいて、母系制社会の長い歴史に学び、次の文明を展望すべき時と考えます。

  なお、個人的学習・研究資料として資料をご希望であれば、雛元昌弘のフェイスブックメッセンジャーで送付先をお知らせください。 雛元昌弘

 

□参考□

<本>

 ・『スサノオ大国主の日国(ひなのくに)―霊(ひ)の国の古代史―』(日向勤ペンネーム)

 ・『邪馬台国探偵団~卑弥呼の墓を掘ろう~』(アマゾンキンドル本)

 ・『奥の奥読み奥の細道』(アマゾンキンドル本)

<雑誌掲載文>

 2012夏「古事記」が指し示すスサノオ大国主建国王朝(『季刊 日本主義』18号)

 2014夏「古事記播磨国風土記が明かす『弥生史観』の虚構」(前同26号)

 2015秋「北東北縄文遺跡群にみる地母神信仰と霊信仰」(前同31号)

 2017冬「ヒョウタンが教える古代アジア”海洋民族像”」(前同40号)

 2017冬「スサノオ大国主建国論1 記紀に書かれた建国者」(『季刊山陰』38号)

 2018夏「スサノオ大国主建国論2 「八百万の神々」の時代」(『季刊山陰』39号)

 2018夏「言語構造から見た日本民族の起源」(『季刊 日本主義』42号)

 2018夏「スサノオ大国主建国論3 航海王・スサノオ」(『季刊山陰』40号)

 2018秋「『龍宮』神話が示す大和政権のルーツ」(『季刊 日本主義』43号)

 2018冬「海洋交易の民として東アジアに向き合う」(前同44号)

 2019春「漂流日本」から「汎日本主義」へ(前同45号)

<ブログ>

 ヒナフキンスサノオ大国主ノート https://blog.goo.ne.jp/konanhina

 帆人の古代史メモ          http://blog.livedoor.jp/hohito/

 ヒナフキン邪馬台国ノート      http://yamataikokutanteidan.seesaa.net/

 霊(ひ)の国の古事記論       http://hinakoku.blog100.fc2.com/