ヒナフキンの縄文ノート

スサノオ・大国主建国論から遡り、縄文人の社会、産業・生活・文化・宗教などの解明を目指します。

Gooブログ 「スサノオ・大国主ノート154  『アマテラス』から『アマテル』へ」の紹介

 Gooブログ「ヒナフキンスサノオ大国主ノート」に「154 『アマテラス』から『アマテル』へ」をアップしました。https://blog.goo.ne.jp/konanhina

 縄文社会論と関係がないように思われるかもしれませんが、縄文人の宗教が一神教の「太陽信仰」なのか、それとも氏族社会・部族社会の多神教の「霊(ひ:祖先霊)信仰」なのか、という判断に関係してきます。

 「縄文人太陽信仰説」はイギリスのストーンヘンジを参考にして、石棒円形石組を「日時計」とし、環状列石などが冬至夏至の太陽の昇る方向を向いているということと、天皇家の「アマテラス(天照)太陽神信仰」を根拠としているのに対し、私は次の主な6つの根拠から「縄文人(ひ)信仰説」を主張してきました。

 

 諏訪の原村の阿久遺跡の石棒からの2列の石列が、ヒジン(霊神)様が住む女神山として信仰されてきた神名火山(神那霊山)型の蓼科山へ向かっている。―縄文ノート「35 蓼科山を神名火山(神那霊山)とする天神信仰」「96 女神調査報告1 金生遺跡・阿久遺跡」参照

 隣接する茅野市の阿久尻遺跡の19の巨木方形柱列(楼観と考える)は蓼科山を向いており、神名火山(神那霊山)信仰を示している。―縄文ノート「104 日本最古の祭祀施設―阿久立石・石列と中ツ原楼観拝殿」「105 世界最古級の阿久尻遺跡の方形巨木柱列群」「169 東西ストーンサークル文明:『ストーンヘンジ』と『阿久(あきゅう)・阿久尻(あきゅうじり)遺跡』」参照

 縄文石棒(石柱から男根型に整形)は後に「山の神(女神山)に男が金精様を捧げる祀りに引き継がれており、母系制社会の女神の依り代であり、太陽信仰の日時計の柱などではない。―「縄文ノート34 霊(ひ)継ぎ宗教論(金精・山神・地母神・神使)」参照

 松岡静雄(柳田圀男の実弟、海軍大佐)の「ヒナ=シナ」説、吉田金彦元大阪外大教授の「信濃=ひな野」説があり、諏訪は元々「居夷神(いひな神)」の国であった大国主の御子の建御名方命(たてみなかたのみこと)に譲り自らは蓼科山の上に登り「ヒジン様」と呼ばれていたことからみて、蓼科山は古くは「たてひな山」で、死者の霊が天に昇る「ひな=霊の国」の山として信仰されていた。―「縄文ノート40 信州の神那霊山(神名火山)と霊(ひ)信仰」参照

死者の霊(ひ)が肉体から分離して天に昇るとする神山天神信仰は、ナイル川源流の万年雪をいだくルウェンゾリ山・ケニヤ山・キリマンジャロをルーツとし、ピラミッドなどの人工神山に引き継がれて世界に広まり、南印ドラビダ族・チベットミャンマーなど東南アジア山岳地帯・雲南などの「ピー、ピャー、ピュー」信仰が琉球から本土に伝わり「ひ」信仰となったと考えらえれる。―縄文ノート「37 『神』についての考察」「38 霊(ひ)とタミル語pee、タイのピー信仰」「42 日本語起源論抜粋」「128 チベットの『ピャー』信仰」「132 ピュー人(ミャンマー)とピー・ヒ信仰」参照

 古事記は始祖神を「三神二霊」とし「二霊(ひ)群品の祖」として「産霊(むすひ)」夫婦神から人(霊人)が生まれ、日本書紀はその2神を「神皇産霊(かみむすひ)・高皇産霊(たかみむすひ)」としており、太陽神は始祖神話には登場しない。―縄文ノート「24 スサノオ大国主建国からの縄文研究」「31 大阪万博の『太陽の塔』『お祭り広場』と縄文」参照

 

 以上の「縄文人(ひ)信仰説」を補強し、今回、「天照」は「アマテラス」か「アマテル」か、「天照」は「テンテル」か「海照(アマテル)」か、「天照国照彦」は「アマテラスクニテラスヒコ」か「アマテルクニテルヒコ」か、尊称「天照」の名前「大日孁貴(おおひるめのむち)」の「ヒルメ」は「日留女」か「霊留女」か、八咫鏡(やたのかがみ)は「アマテルの御魂」か「太陽のシンボル」か、「人・彦・姫・卑弥呼」は「日人・日子・日女・日御子」か「霊人・霊子・霊女・霊御子」か、「天照」は「日神(ひのかみ)=太陽神」か「霊神(ひのかみ=ヒジン)」か、縄文時代から今も続いているのは「霊(ひ:祖先霊)」か「太陽信仰」か、を検討しました。

 Gooブログ「ヒナフキンスサノオ大国主ノート」に「154 『アマテラス』から『アマテル』へ」をご覧いただければ幸いです。

 

□参考□

<本>

 ・『スサノオ大国主の日国(ひなのくに)―霊(ひ)の国の古代史―』(日向勤ペンネーム)

 ・『邪馬台国探偵団~卑弥呼の墓を掘ろう~』(アマゾンキンドル本)

<雑誌掲載文>

 2012夏「古事記」が指し示すスサノオ大国主建国王朝(『季刊 日本主義』18号)

 2014夏「古事記播磨国風土記が明かす『弥生史観』の虚構」(前同26号)

 2015秋「北東北縄文遺跡群にみる地母神信仰と霊信仰」(前同31号)

 2017冬「ヒョウタンが教える古代アジア”海洋民族像”」(前同40号)

 2018夏「言語構造から見た日本民族の起源」(前同42号)

 2018秋「『龍宮』神話が示す大和政権のルーツ」(前同43号)

 2018冬「海洋交易の民として東アジアに向き合う」(前同44号)

 2019春「漂流日本」から「汎日本主義」へ(前同45号)

<ブログ>

ナフキンスサノオ大国主ノート https://blog.goo.ne.jp/konanhina

帆人の古代史メモ(~115まで)      http://blog.livedoor.jp/hohito/

 帆人の古代史メモ2(116~)      https://hohito2024.blog.jp/

 ヒナフキン邪馬台国ノート       http://yamataikokutanteidan.seesaa.net/

 霊(ひ)の国の古事記論                 http://hinakoku.blog100.fc2.com/