ヒナフキンの縄文ノート

スサノオ・大国主建国論から遡り、縄文人の社会、産業・生活・文化・宗教などの解明を目指します。

「スサノオ・大国主建国論7 イヤナミ・イヤナギの神生み」の紹介

 gooブログ「ヒナフキンスサノオ大国主ノート」に「スサノオ大国主建国論7 イヤナミ・イヤナギの神生み」をアップしました。https://blog.goo.ne.jp/konanhina

 この国の古代史は、天皇を神とした戦前の皇国史観と戦後の反天皇制の反皇国史観の2重の誤りに満ちています。

 古事記はイヤナミ(伊邪那美)・イヤナギ(伊邪那岐)の国生みに続いて、イヤナミ17神の神生み、速秋津日子・速秋津比売の8神、大山津見神・野椎神の8神の神生みと、病んだイヤナミの反吐・屎・尿からの3神、イヤナミの死をもたらしたカグツチ(火之迦具土)をイヤナギが切った血・死体からの16神の神生み、イヤナギの黄泉の汚垢の付いた持ち物や体をそそいで洗い落して26の神・命(みこと)の誕生を伝えています。

 この不自然・不合理な内容を含む神話について、皇国史観の流れをくんだ「天皇中心史観」「大和中心史観」は、記紀神話スサノオ大国主建国記述は荒唐無稽な神話として無視していますが、「モノから生まれたモモ姫・モノ太郎」のアマテルとスサノオは歴史上の人物とし、アマテルを天皇家の直接の始祖としています。

 一方、「聖書・キリスト」を後世の創作としたドイツのヘーゲル左派流の「近代合理主義的解釈」の影響を受けた反皇国史観は、このような記紀神話は全て8世紀の創作として歴史的価値を認めていません。神話の全否定であり「たらい水とともに赤子を流す」(記紀神話否定により真実の歴史の探究を放棄)という誤りを犯しています。

 今回は、不自然・不合理な点が多いイヤナミ・イヤナギの神生み神話から、どのような真実の歴史を明らかにできるか、可能な限り考察しました。私は縄文時代から続く出雲族の「地母神信仰の黄泉がえり宗教」「霊信仰」「神山天神信仰(神名火山(神那霊山)信仰)」や、妻問夫招婚の母系制社会から父系制社会への移行を示すイヤナミ・イヤナギとその御子たちの大兄(長兄)スサノオの歴史を明らかにできたと思っています。

 本ブログのテーマの「縄文社会論」としても、宗教を中心に縄文文化・文明がどうイヤナギ・スサノオ大国主建国に引き継がれているか、世界史の中に位置付けて検討する参考にしていただければ幸いです。雛元昌弘

 

□参考□

<本>

 ・『スサノオ大国主の日国(ひなのくに)―霊(ひ)の国の古代史―』(日向勤ペンネーム)

 ・『邪馬台国探偵団~卑弥呼の墓を掘ろう~』(アマゾンキンドル本)

<雑誌掲載文>

2012夏「古事記」が指し示すスサノオ大国主建国王朝(『季刊 日本主義』18号)

 2014夏「古事記播磨国風土記が明かす『弥生史観』の虚構」(前同26号)

 2015秋「北東北縄文遺跡群にみる地母神信仰と霊信仰」(前同31号)

 2017冬「ヒョウタンが教える古代アジア”海洋民族像”」(前同40号)

 2017冬「スサノオ大国主建国論1 記紀に書かれた建国者」(『季刊山陰』38号)

 2018夏「スサノオ大国主建国論2 「八百万の神々」の時代」(『季刊山陰』39号)

 2018夏「言語構造から見た日本民族の起源」(『季刊 日本主義』42号)

 2018夏「スサノオ大国主建国論3 航海王・スサノオ」(『季刊山陰』40号)

 2018秋「『龍宮』神話が示す大和政権のルーツ」(『季刊 日本主義』43号)

 2018冬「海洋交易の民として東アジアに向き合う」(前同44号)

 2019春「漂流日本」から「汎日本主義」へ(前同45号)

<ブログ>

  ヒナフキンスサノオ大国主ノート https://blog.goo.ne.jp/konanhina

  帆人の古代史メモ    http://blog.livedoor.jp/hohito/

  邪馬台国探偵団       http://yamataikokutanteidan.seesaa.net/

  霊(ひ)の国の古事記論 http://hinakoku.blog100.fc2.com/