「地域おこし・まちづくり・むらづくり」を主な仕事としてきた私は、2018年から「アフター原発のまちづくり」に向けて歴史文化の世界観光を考え始め、2020年からは「新型コロナ」の全くデタラメな感染者・死者予測・シミュレーションに基づく「全国一斉休校」「全国一斉外出抑制」の全体主義的な方針に反対し、深刻なダメージを受けた観光・飲食業などとそこで働く人々の「アフターコロナの世界観光」に向け、「縄文文化の世界遺産登録」に向けた研究にのめり込みました。
これまで、古代史の関係では日本民族起源論、日本語起源論、縄文・弥生農耕論、建国論(スサノオ・大国主一族か天皇家か)、邪馬台国論など多くの論争がありましたが、残念なことに、世界の人類史に向けての提案を意識したものは「縄文論」でわずかにみられるだけで、少ないように思います。また、プルトニウム239の半減期3万年、10・4・2万年周期の気候変動説、パンデミック100年周期説などを考えると、日本列島人4万年の歴史全体で議論すべき時と考えます。
「東京オリンピック2020」に続いて「大阪万博2025」が予定されていますが、コロナ後のこれからの世界観光を考えると、「一時的、大都市集中型、スポーツ・産業テーマ、焼き直し」の戦略ではなく、「持続的、分散型、歴史・文化テーマ、オリジナル」の「縄文文明の世界遺産登録」を軸として検討すべきであり、「世界の共同体文明」に光を当てる大きな役割を果すべきと考えます。 210125 雛元昌弘
※目次は「縄文ノート60 2020八ヶ岳合宿関係資料・目次」を参照ください。
Ⅴ-23 「日本列島人はどこからきたのかプロジェクト」へ
201202 雛元昌弘
ネットで関野吉晴氏の「グレートジャーニー」を検索していて、の2012/8/10が引っかかってきました。http://veesarvalleyjp.blogspot.com/2012/08/blog-post_8156.html
https://www.facebook.com/VeesarValleyJp/photos/?tab=album&album_id=506780622681514
以後、情報が継続して更新されていませんが、アフリカからアジアへの人類の移動ルートを確かめようとする「仮説検証型」の発掘には興味を惹かれました。
民族学者・人類学者・言語学者・農学者・民俗学者・宗教学者・考古学者たちが協力し、アフリカからの「日本列島人はどこからきたのかプロジェクト」(日本列島人グレートジャーニー・プロジェクト)を開始していない不甲斐なさと較べると、実にあっぱれというべきでしょう。
添付画面によれば、彼らは東インドからミャンマー・雲南ルート(高地ルート:照葉樹林文化説)、ミャンマー・タイ・ラオスルート(インドシナ横断ルート)、ミャンマー・マレーシアルート(海の道ルート)を仮説として考えています。
私もまたこの3ルートを検討しましたが、「主語-動詞-目的語(SVO)」言語の中国・東南アジアの諸民族の間を縫って、陸上を少数の「主語-目的語-動詞(SOV)」言語のドラヴィダ語族が族が言語と文化を守りながら大移動できたとは考えられませんでした。
東アフリカ起源の「主語-目的語-動詞」言語部族はヒョウタンや稲・雑穀などを持ち、エチオピアあたりから海沿いにインドに到達し、南東インド海岸部・セイロン島(スリランカ)のドラヴィダ系海人族はさらにミャンマー海岸部・アンダマン諸島に移住し、その一部は温暖期に熱帯のマラリアなどの感染症を避けて東インド・ミャンマー高地に移住してドラヴィダ系山人族となり、寒冷化をむかえて南下してドラヴィダ系海人族と合流し、スンダランドを経由して日本列島へ到達したと考えるにいたりました。
「主語-目的語-動詞」言語のドラビダ語ルーツの倭音倭語、Y染色体Ⅾ1a2aグループのチベット・ブータン・アンダマン諸島と日本人の繋がり、赤米や温帯ジャポニカの起源、短足・がっしり体形と容貌、赤米・もち・いも食文化や歌垣・妻問夫招婚、チベットからインドシナ高地にかけての死者の霊(ひ)が宿る聖山信仰、ドラヴィダ族や東南アジア高地民の「pee(ピー)」信仰と日本の霊(ひ)信仰、祭りの掛詞の「ポンガ」(タミル語:泡立つ)と「ホンガ」(秋田・長野)という希少性・固有性・恒常性の高い囃子言葉の同一性、熱帯性のヒョウタン・リョクトウ・ウリや丸木舟製作の東南アジアの丸ノミ石斧の伝播など、縄文文化・文明の世界遺産登録を目指し、国際的な協力をえて「日本列島人大移動プロジェクト」を今こそ立ち上げるべきではないでしょうか。
プルトニウム239の半減期は3万年ですが、それは日本列島に人々がやってきた3~4万年の長さに匹敵します。また、気候では10万年・4万年・2万年周期の気候変動説があり、100年周期説など人類は何度もパンデミックを経験してきています。今、未来はアフリカを出た4万年の旧石器人・縄文人からの時間スケールで判断が求められるのです。
「東京オリンピック2020」に続いて「大阪万博2025」が予定されていますが、コロナ後のこれからの世界観光を考えると、「一時的、大都市集中型、スポーツ・産業テーマ、焼き直し」の戦略ではなく、「持続的、分散型、歴史・文化テーマ、オリジナル」の「世界遺産」を軸とした観光を考えるべきであり、縄文文明の世界遺産登録は「世界の共同体文明」に光を当てる大きな役割を果たすことができると考えます。
歴史学者に求められるのは、数万年の世界的な視点での日本史の解明であり、世界に向けて提案できる教訓を導き出すことではないでしょうか?
<「ヴィーサル・ヴァレー・プロジェクト」ホームページより>
1.目的
私たちパキスタン-日本考古学共同調査隊は、2012年より、パキスタン・シンド州北部のヴィーサル・ヴァレー地区で、旧石器時代遺跡の発掘調査を開始しました。およそ12万年前にアフリカを旅立った現代人が世界中へ広がって行ったグレート・ジャーニーの足跡をこの地に見つけだすことが、調査の最大の目的です。
2.メンバー パキスタン-日本考古学共同調査隊
① 代 表
ニローファー・シェイフ/Nilofer Shaikh/シャー・アブドゥル・ラティーフ(SALU)大学副学長・教授
近藤 英夫/Hideo Kondo/東海大学文学部教授
② ヴィーサル・プロジェクト・メンバー (日本)
野口 淳/Atsushi Noguchi/明治大学校地内遺跡調査団/考古学・石器・ジオアーケオロジー/ウェブ・サイト作成管理
下岡 順直/Yorinao Shitaoka/京都大学大学院理学研究科附属地球熱学研究施設/古文化財科学・年代測定
横山 真/Shin Yokoyama/(株)ラング代表取締役/考古学・石器3D計測・分析モデル作成
千葉 史/Fumito Chiba/(株)ラング取締役/情報工学・石器3D計測・分析モデル作成
藤波 啓容/Hirokazu Fujinami/(有)アルケーリサーチ代表取締役/考古学・石器デジタル画像作成・データベース作成
小茄子川 歩/Ayumu Konasukawa/デカン大学院大学博士課程/考古学 (現地調査等協力)
3 助成等(2012年) 略
4 日本旧石器学会「南アジアの旧石器時代遺跡」研究グループ (JPRA-SAPRG)
ヴィーサル・ヴァレー・プロジェクトは、日本旧石器学会の公募研究グループ、「南アジアの旧石器時代遺跡」研究グループの研究活動の一環でもあります。
本研究グループは、ユーラシア、オセアニアへの移住・拡散に関する人類史の解明のための、南アジアにおける旧石器時代遺跡に関する情報の収集・整理を目的とし、日本旧石器学会の承認・助成を受けて活動。
〇2012年度は、以下のような研究活動を行なっています。
oヴィーサル・ヴァレー地区遺跡群の発掘調査
oインド南部旧石器時代遺跡の現地踏査と出土資料調査(2013年1月実施予定)
o南アジア旧石器時代遺跡データベース(遺跡地図含む)の作成
o南アジア旧石器デジタル・アーカイブの作成
o3Dモデルによる石器形態情報の共有システムの検討
◇参考◇
<本>
・『スサノオ・大国主の日国(ひなこく)―霊(ひ)の国の古代史―』(日向勤ペンネーム)
・『邪馬台国探偵団~卑弥呼の墓を掘ろう~』(アマゾンキンドル本)
<雑誌掲載文>
2017冬「ヒョウタンが教える古代アジア”海洋民族像”」(『季刊 日本主義』40号)
2018夏「言語構造から見た日本民族の起源」(『季刊 日本主義』42号)
2018冬「海洋交易の民として東アジアに向き合う」(『季刊日本主義』44号)
<ブログ>
ヒナフキンのスサノオ・大国主ノート https://blog.goo.ne.jp/konanhina
ヒナフキンの縄文ノート https://hinafkin.hatenablog.com/
帆人の古代史メモ http://blog.livedoor.jp/hohito/
邪馬台国探偵団 http://yamataikokutanteidan.seesaa.net/
霊(ひ)の国の古事記論 http://hinakoku.blog100.fc2.com/