縄文ノート22(Ⅰ-3) 2020八ヶ岳合宿 見学資料
8月3~5日の縄文社会研究会・東京の参加者向けに作成した資料です。前年の各施設での写真やHPを利用して作成した単なる案内ですが、この地域の縄文遺跡見学の参考資料としていただければと掲載しました。
ポストコロナの国際観光に向けて、私は「日本中央縄文文明」(長野・新潟・群馬・山梨)と「八百万神の出雲神道」(出雲・壱岐・博多・甘木・播磨・三輪など)の世界遺産登録を提案しているところですが、この世界遺産登録ができ、仮に各100万人(うち外国人50万人)増とすると10年間で2000万人の観光客増となります。
もともとの東京オリンピック2020、大阪万博2025の目標入場者数がそれぞれ1010万人、2800万人で大都市一極集中型の一過性のイベントであるのに対し、縄文文明と出雲神道の世界遺産登録は、分散型国際観光で波及効果が大きく、さらに全世界の共同体文明の解明に対して与える影響の大きさは比べ物になりません。
エーゲ文明のギリシアのオリンピックの後追いもいいのですが、日本列島文明(海洋交易民文明、焼畑土器鍋食文明、巨木・ヒスイ・宝貝文明、霊(ひ)信仰・母系制社会等)や古マヤ文明(トウモロコシ栽培・料理、巨石文明、ヒスイ・黒曜石など交易文明、象形文字等)、古アンデスアンデス文明(イモ文明、山岳・高原文明、巨石・黄金文明)、イングランド先住民文明(ストーンサークル・ストーンヘンジ巨石文明)、照葉樹林文明(ブータン・ミャンマー・ラオス・雲南など)、遊牧民文明など、「世界共同体文明祭典」を提案すべきと考えます。 201208 雛元昌弘
Ⅰ-3 2020八ヶ岳合宿 見学資料
200802 雛元昌弘
1日目: 2020 年 8 月 3 日(月)
諏訪郡原村17217-118 0266-74-2111 清水校長
14:30 諏訪大社前宮
諏訪市中州宮川2030 0266(72)1606
16:30 神長官守矢史料館
茅野市宮川389-1 0266-73-7567
・守矢家第78代当主・守矢早苗氏と茅野市の依頼を受け、藤森照信氏が縄文デザインで設計。藤森氏は宮川村(現:茅野市)出身、東北大卒(小田和正と同期)、元東大生産技研教授、縄文建築団(赤瀬川原平ら)など。
・史料館山側には藤森作品の茶室、高過庵(たかすぎあん)、低過庵(ひくすぎあん)、空飛ぶ泥舟。
15:30 諏訪大社本宮
諏訪市中州宮山1 0266(52)1919
2日目:8 月 4 日(火)
10:00 尖石縄文考古館
茅野市豊平4734-132 0266-76-2270
・尖石(とがりいし)遺跡の出土品、わが国最初の縄文時代の国宝「縄文のビーナス」(5000年前)と平成26年8月に国宝指定の「仮面の女神」(4000年前)など、2000点余りの考古資料を展示。
・与助尾根遺跡には復元住居6軒。
11:30 中ツ原遺跡(中ツ原縄文公園)
茅野市湖湖東6407-1
・縄文時代中期(5000年前頃)から後期前半(4000年前頃)。
・平成4~13年のほ場整備事業前の発掘調査で遺跡の全貌が判明。
・200軒以上の竪穴住居址、3,300余りの柱穴・墓穴・黒曜石の貯蔵跡などが発掘され、多量の土器や石器、ヒスイやコハクが発見。
14:00 棚畑遺跡
茅野市米沢埴原田、米沢2391
・工業団地造成のため、昭和61年緊急発掘調査。
・住居址は149箇所で、内146箇所が縄文時代中期(5000年前頃)。
・黒曜石流通の交易・交流の拠点
・双環状集落(円形広場の周りに環状又は弧状に住居群)が南北2箇所に配置。
・「縄文のビーナス」は平成7年に国宝に指定
・埋め戻されており、立地条件のみの確認。
14:30阿久遺跡(原村埋蔵文化財収蔵庫)
諏訪郡原村6549番地1 0266-79-2111
・縄文時代前期の大遺跡。中央自動車道線の工事に伴い発掘、埋没保存。立地条件のみの確認。
・前期初頭には30軒の住居と8基の方形柱列、前期中期には20軒近い住居や土壙墓群。
・前期末葉には丘陵中央に大環状集石群。120×90m、幅30m、約20万個のこぶし大から人頭大の河原石をドーナッツ状に配置。中央に立石構造(大小24個の板状の角柱石と半径1mの円形に8個の平石)。その周りに人骨を埋葬した竪穴と河原石を直径2-3メートルの円形に積んだ集石遺構が多数取り巻き、約700基余りの土壙墓があると推定。
・この集石墓から約50-100m程離れたところに、ほぼ同じ時期の竪穴住居址が南と東に分かれひとまとまりになって分布。
・これらの立石・集石群は、中央の立石からドーナツ状の集石群の間を通して蓼科山を拝望できるように作られた祭祀場。
15:00 井戸尻考古館
諏訪郡富士見町境7053 TEL 0266(64)2044
・2.5㎞の範囲に、井戸尻・曽利・藤内・九兵衛尾根・居平・唐渡宮・向原など「井戸尻遺跡群」を形成。縄文農耕論発祥の地。
・8000~2300年前頃の縄文人の生活文化を復元。200点余りの土器や石器を年代順に並べるとともに、住居や食物・装身具・衣類なども併せて展示。土器や土偶など文様解読も。
・館外には、復元家屋、炉址・配石遺構のほか、栽培作物圃場・石器材料岩石園を設け、当時の食生活や農具の究明を行っている。
3日目:8 月 5 日(水)
10:00平出遺跡博物館・平出遺跡公園ガイダンス棟
〒399-6461長野県塩尻市宗賀388-2 0263-52-3301
・早期から晩期まで116軒の住居、最も栄えたのは中期(5500~4500年前頃)。
・縄文時代からスサノオ・大国主一族の建国時代までの遺跡が集積。
・土偶や立石、埋甕(うめがめ)(68cmのもっとも早い発見例の一つ)。
13:30 和田峠
14:30 黒耀石体験ミュージアム(星業峠黒曜石遺跡)
小県郡長和町大門3670-3 0268-41-8050
・すぐ近くに明大黒曜石研究センター
・35000年前頃の旧石器時代の石器工場の遺跡や、縄文時代に黒耀石を大規模に掘り出した鉱山のような遺跡が残されている。
・この地の黒耀石は東北や近畿に至るまで供給されていた。