ヒナフキンの縄文ノート

スサノオ・大国主建国論から遡り、縄文人の社会、産業・生活・文化・宗教などの解明を目指します。

縄文ノート153 倭語(縄文語)論の整理と課題

 へそ曲がりの私は、小学校の時に「大和」を「やまと」と読むと習い、「嘘だろう」と信用しませんでした。私には「おおわ」としか読めないからです。「飛鳥(とぶとり)」を「あすか」、「春日(はるひ)」を「かすが」と読むというのもとうてい納得できませんでした。

 中学校に入って英語を習い、「the(ザ)」と「theater(シアター)」「then(ゼン)」「thank you(サンキュー)」「this(ジス)」などにローマ字のような音韻表記法則があるに違いないと考えに考えたのですがその法則を見つけることができず、「英語は難しい、わからん」と1学期は完全に落ちこぼれてしまいました。友達から「覚えりゃいいんだ」と言われてやっと丸暗記を覚え苦手意識はなくなりました。 

 そんな私は、セミリタイアして古代史をやるようになり、やっと「やまと=山人」「おおわ=大倭=大和」「あすか=あ須賀」「かすが=か須賀」であり、スサノオ大国主一族の「大倭国(おおわのくに)」「須賀(蘇我)」を隠すための表記換えが行われたということが理解でき、小学生の時の疑問が解けました。薩摩半島産西端の笠沙・阿多出身の山幸彦(猟師=山人=やまと)の子孫の天皇家が傭兵隊として奈良盆地に入り、大物主の大和国を10代かけて乗っ取り、「大和(おおわ)」を「やまと」と読ませ、「あ須賀」「か須賀」を「飛鳥」「春日」字表記に置き換えたことを理解し、納得できた次第です。

 また「アカヒ アカヒ アサヒガアカヒ」と書いて「あかい あかい あさひがあかい」と読むこともどうしても納得できず、父に質問しましたが「そういうもんだ」としか返事が帰ってこず「なんで」と疑問を抱えたままでした。それは「委奴国」「伊那」を「いなのくに」「いな」と読むか「ひなのくに」「ひな」と読むか、というテーマに引き続いています。

言語学については基礎的な勉強もしていない全くの素人なのですが、こんな「面倒くさい」こだわりの延長で取り組んできました。

なお、同音異義語の俳句やダジャレなどの掛詞(ダブルミーニング)は大好きであり、ペンネームの「日向勤(ひなつとむ)」はあだ名の「ヒナゴン」を置き換えるなどして遊んでいますが、島根日日新聞で連載させていただいた『奥の奥読み奥の細道』は芭蕉の「3重構造俳句(自然+歴史+個人の想い)」のトリプルミーニングを分析したものです。新年にアマゾンキンドル本として出す予定でしたが、1年遅れで公開したいと考えています。

 

1 倭語論(縄文語論)についてのこれまでの小論

 これまで、倭語論(縄文語論)については、糖質・DHA食と女・子どものおしゃべり人類進化論、母系語から父系語への転換論(良字悪字論)、「主語-目的語-動詞」言語伝播論、農耕・宗教語のドラヴィダ語起源論、性器語・宗教語の東南アジアルーツ論、倭音倭語・呉音漢語・漢音漢語3層構造論、琉球弁の北進・東進論、母音・子音の音韻転換論、漢字分解解釈論、掛詞論(同音異義字使用論)など、次のような小論を書いてきました。

⑴ 糖質・DHA食と女・子どものおしゃべりからの人類進化論

 縄文ノート88 子ザルからのヒト進化説 210728

 縄文ノート89 1段階進化論から3段階進化論へ 210808

 縄文ノート107 ドーパミンからの人類進化論―窮乏化進化か快適志向進化か 211110

 縄文ノート115 鳥語からの倭語論 211213

 縄文ノート126 「レディ・サピエンス」と「女・子ども進化論」 220307

⑵ 母系語から父系語への転換論(良字悪字論)

 スサノオ大国主ノート 倭語論7 「鬼」の国 200129

 スサノオ大国主ノート 倭語論9 「卑」字について 200131

 スサノオ大国主ノート 倭語論10 「男尊女卑」について 200203

 スサノオ大国主ノート 倭語論11 「委奴国」名は誰が書いたか? 200205

 縄文ノート32 縄文の「女神信仰」考 200730→1224

 縄文ノート148 「地・姓・委・奴・卑」字からの中国母系社会論 220827 

 縄文ノート149 「委奴国」をどう読むか? 220905

 縄文ノート151 「氏族社会」から「母族社会」へ 220915

⑶ 「主語-目的語-動詞」言語伝播論

 季刊日本主義42号 言語構造から見た日本民族の起源(2018夏)

 スサノオ大国主ノート 倭語論3 「主語-目的語-動詞」言語族のルーツ

 縄文ノート25 「人類の旅」と「縄文農耕」と「三大穀物単一起源説」

 縄文ノート41 日本語起源論と日本列島人起源説  200918→210112

 縄文ノート97 「3母音」か「5母音」か?―縄文語考 181210→210922

 (再)縄文ノート115 鳥語からの倭語論 211213

⑷ 農耕・宗教語のドラヴィダ語起源論

 縄文ノート30  「ポンガ」からの「縄文土器縁飾り」再考

 縄文ノート42 日本語起源論抜粋 210113

 縄文ノート5、25 「人類の旅」と「縄文農耕」と「3大穀物単一起源説」 140613→201213 

 縄文ノート26 縄文農耕についての補足 200725→1215 

 縄文ノート37 「神」についての考察 200913→210105

⑸ 性器語・宗教語の東南アジアルーツ論

 縄文ノート38 「霊(ひ)」とタミル語peeとタイのピー信仰 201026→210108

 縄文ノート80 「ワッショイ」と山車と女神信仰と「雨・雨乞いの神」 210619

 縄文ノート94 『全国マン・チン分布考』からの日本文明論181204→200204→210907

 縄文ノート128 チベットの「ピャー」信仰 220323

 縄文ノート132 ピュー人(ミャンマー)とピー・ヒ信仰 220404

⑹ 倭音倭語・呉音漢語・漢音漢語3層構造論

 スサノオ大国主ノート 倭語論2 倭流漢字用法の「倭音・呉音・漢音」について 200124

 スサノオ大国主ノート 倭語論3 「主語-目的語-動詞」言語族のルーツ 200125

 スサノオ大国主ノート 倭語論5 「和魂」について 200127

 スサノオ大国主ノート 倭語論15 古日本語は「3母音」か「5母音」か? 181210→200216

 縄文ノート26 縄文農耕についての補足 200725→1215

 縄文ノート29 「吹きこぼれ」と「おこげ」からの縄文農耕論 201123→1218

 縄文ノート36 火焔型土器から「龍紋土器」へ 200903→1231

 縄文ノート37 「神」についての考察 200913→21010

 縄文ノート52 縄文芸術・模様・シンボル・絵文字について 201104→210205

 縄文ノート53 赤目砂鉄と高師小僧とスサ(富士見町歴史民俗資料館より) 201106→210208

 (再)縄文ノート115 鳥語からの倭語論 211213

⑺ 琉球弁の北進・東進論

 帆人の古代史メモ 琉球論4 「かたつむり名」琉球起源説 180816→200203

 帆人の古代史メモ 琉球論5 『全国マン・チン分布孝』批判の方言論 181204→200204

 縄文ノート93 「かたつむり名」琉球起源説―柳田國男の「方言周圏論」批判 210830

 縄文ノート94 『全国マン・チン分布考』からの日本文明論181204→210907

 縄文ノート147 『ちむどんどん』からの古日本語(縄文語)解明へ 220820

⑻ 母音・子音の音韻転換論

 帆人の古代史メモ 琉球論1 「へのこ」考 171129→200131

 帆人の古代史メモ 琉球論6 古日本語は「3母音」か「5母音」か? 181210→200218

 スサノオ大国主ノート 倭語論15  古日本語は「3母音」か「5母音」か? 200216

 スサノオ大国主ノート 倭語論17  「いあ、いぇ、いぉ」「うあ、うぇ、うぉ」 「おあ」倭語母音論 200316

 (再)縄文ノート149 「委奴国」をどう読むか? 220905     

⑼ 漢字分解解釈論

 スサノオ大国主ノート 倭語論1 平和について 200123

 スサノオ大国主ノート 倭語論4 「倭人」の漢字使用 200126

 スサノオ大国主ノート 倭語論5 「和魂」について 200127

 スサノオ大国主ノート 倭語論6 「神」について 200128

 スサノオ大国主ノート 倭語論7 「鬼」の国 200129

 スサノオ大国主ノート 倭語論8 道と礼と信の国 200130

 スサノオ大国主ノート 倭語論14 「アマテラス」か「アマテル」か 200217

 スサノオ大国主ノート 倭語論16 「日本語」「倭語」「土器人(縄文人)語」 200224

 縄文ノート28 ドラヴィダ系海人・山人族による稲作起源論 201119→1217

 縄文ノート31 大阪万博の「太陽の塔」「お祭り広場」と縄文 191004→201223

⑽ 掛詞論(同音異義字使用論)

 霊(ひ)の国の古事記論9 「天津」はどこか?(090626)

 霊(ひ)の国の古事記論35 「ヤマト」は「山人」(100505)

 季刊日本主義43号 『龍宮』神話が示す大和政権のルーツ (2018秋)

 縄文ノート33  「神籬(ひもろぎ)・神殿・神塔・楼観」考

 帆人の古代史メモ 琉球論2 「龍宮」は「琉球」だった 180512→200201

 帆人の古代史メモ 琉球論3 「龍宮」への「无間勝間の小舟」 200202

 帆人の古代史メモ 琉球論7 「日(ひ:太陽)信仰」か「霊(ひ:祖先霊)信仰」か 170721→200220

 スサノオ大国主ノート 倭語論12 「大和」は「おおわ」「だいわ・たいわ」か「やまと」か? 200207

 

2 記紀分析等で求められる言語分析の5原則

 漢文が大好きて得意な歴史学者たちは「漢字好きの倭音倭語知らず」に、中国の歴史・文化が大好きな拝外主義の歴史学者たちは「漢才自慢の倭魂知らず」に、天皇中心史観(大和中心史観)の歴史学者たちは「和をもって貴しの倭知らず」となり、紀元前から倭人が漢字を使い、委奴国王や卑弥呼の使者が通訳を連れ、後漢や魏に国書を持参させて外交を行ったことなど想像もできないようです。

 「畑(火+田)」「畠(白+田)」など倭製漢字を作り、倭音倭語を漢字表記する独特の「倭流漢字用法」を確立していたことなど、想定もしていません。ましてや、祭りの「わっしょい」や烏行事の「ホンガ」などの解釈不能な倭語の探究や、アフリカからの言語の伝播ルートの解明などは専門外として放棄し、天皇家から漢字使用が始まったかのように歴史のねつ造を行っています。

 日本人に多いY染色体D型族は、アフリカ西海岸の熱帯雨林でE型族(ニジェールコンゴ族)と分かれ、ヒョウタンを持って病虫害の少ない東アフリカの高地湖水地方に移り、さらに食料の豊富な熱帯の「海岸の道」「海の道」を通ってインド南部に移住し、マラリアなどを避けて東インドビルマの山岳地域(照葉樹林帯)に移り、「海の道」と「草原の道」に分かれて東進し、前者は東南アジアのスンダランドが水没すると竹筏で黒潮にのって日本列島にやってきており、その言語は「主語-目的語-動詞」言語構造であり、途中のドラヴィダ語や東南アジア語の影響を強く受けていると考えます。

 

 記紀風土記の分析に欠かせない点として、言語論として次の5つの分析基準をこれまで書いてきましたが、ここにまとめておきたいと思います。Gooブログ・ヒナフキンスサノオ大国主ノート「倭語論1~17」(200123~0316)参照(注:「倭語論6 『神』について」は間違いがあり、いずれ修正します)

⑴ 倭音倭語分析

 第1は、呉音漢語・漢音漢語ではなく倭音倭語で分析するという原則です。

 

        

 大国主を「おおくにぬし」と読み、出雲国を「いずものくに」と読む以上、魏書東夷伝倭人条に書かれた一大国は「いのおおくに」、邪馬壹国は「やまのいのくに」、記紀の「大和」は「おおわ」と読むというような原則です。―縄文ノート「41 日本語起源論と日本列島人起源」「42 日本語起源論抜粋」参照

 後漢への「委奴国王(いなのくにのおう)」の使者が国書を持参しないことなどありえず、同行した通訳により外交交渉を行い、漢語を理解する文明国として認められたからこそ、銀印や銅印ではない玉印に次ぐ「漢委奴国王」の金印紫綬を後漢初代・光武帝から与えられたのです。

 「委奴国王」や「倭国」「邪馬壹国」「卑弥呼」などは倭人が国書に自ら記したものであり、当然ながら「委、倭」「奴」「邪」「卑」を母系制社会の倭人は良字として使用したのであり、これらを「悪字」としたのは漢代からの儒家たちであり、倭人は「甲骨文字」の時代からの本来の漢字用法を知ったうえでこれらの字を使用したと考えています。

 なお、古代史において「日本」は呉音・漢音読みで「ニチホン」「ニッポン」「ジツポン(→ジャパン)」と読むべきではなく、大国主を国譲りさせた武日照(たけひなてる)=武夷鳥(たけひなとり)=天日名鳥(あまひなとり)に見られる「日=ひな」からみて「ひなもと」あるいは「ひのもと」と読むべきと考えます。

 

⑵ 母音の音韻転換分析

 第2は、倭音倭語は「あ、い、う、いえ、うお」5母音であり、琉球弁では「あいういう」5母音、本土弁では「あ、い、う、え、お」5母音として残り、どちらで読むかの検討が必要なことです。スサノオ大国主ノート「倭語論15 古日本語は『3母音』か『5母音』か?」「倭語論17 『いあ、いぇ、いぉ』『うあ、うぇ、うぉ』『おあ』倭語母音論」参照

 なお、雲南などに住む「イ(委・倭)族」もまた「a、 i、 u、 e、ie、 o、uo」母音です。―縄文ノート「152 朝鮮ルート、黒潮ルートか、シベリアルート、長江ルートか?」

 沖縄弁(琉球弁)では、雨(あみ)、酒(さき)、風(かじ)、心(くくる)、声(こい)、夜(ゆる)など、その名残を多く残しています。

 出雲国風土記の「神戸(かむべ)・神原(かむはら)」と「神魂神社(かもすじんじゃ)・神魂命(かもすのみこと)」の「かむ=かも」の例など本土弁にも琉球弁からの伝播は残っており、「賀茂・加茂・鴨」は古くは「神(かも)」であったとみるべきです。―縄文ノート「37 『神』についての考察」「97 『3母音』か『5母音』か?―古日本語考」、『邪馬台国探偵団~卑弥呼の墓を掘ろう~』(アマゾンキンドル本)参照

 

 なお、表1・図4のように、母音併用はさらに広範に見られ、その体系的な分析は専門家に任せたいと思いますが、記紀等の用法と現代の地名との対照や語源分析にあたっては注意する必要があります。Gooブログ・ヒナフキンスサノオ大国主ノート「倭語論17 『いあ、いぇ、いぉ』『うあ、うぇ、うぉ』『おあ』倭語母音論」(200316)参照

 

⑶ 子音の音韻転換分析

 第3は、沖縄弁の「た行か行」の音韻転換のように、「は行ま行た行な行ら行」の音韻転換が見られることです。記紀等の古日本語(縄文語)由来の倭音倭語の分析では、表2のような音韻転換の可能性を考慮する必要があります。―『邪馬台国探偵団~卑弥呼の墓を掘ろう~』(アマゾンキンドル本)参照

 

 

 このような子音の音韻転換がいつ、なぜ、どのようにして起こったのか、言語学国語学については全くの素人の私には解明できず、系統的な分析は誰か専門分野の方に取り組んでいただきたいのですが、私は記紀風土記・魏書東夷伝倭人条などの具体例について引き続き追究していきたいと思います。

 

⑷ 山人(やまと)族天皇家の掛詞(ダブルミーニング)分析の原則

 第4は、山人(やまと)族の天皇家スサノオ大国主一族の国を乗っ取ったことにより、スサノオ大国主一族が伝えてきた「旧辞」の音訓表記を記紀が異なる漢字に置き換えた可能性を検討する必要性です。

 山人(やまと)天皇家が「大和(おおわ)」を「やまと」読みに置き換えた例はすでに述べましたが、スサノオ大国主建国を隠蔽したもっとも重要な置き換えは、「海人・海(あま)」を「天」字に置き換え、神々を産んだ始祖神の「産霊(むすひ)」夫婦神を「産日(むすひ)」に置き換え、天皇家皇位継承を「霊(ひ)継」から「日継」に置き換え、祖先霊信仰の八百万神信仰を天照(あまてる)太陽神信仰に置き換えた歴史のねつ造です。

 

 幸い、出雲系の太安万侶日本書紀編集者は、荒唐無稽な神話表現で真実を伝えるなど、秘かにスサノオ大国主建国の真実を伝える工夫を行っており、読み手の推理力と読解力が試されます。

 

⑸ 縄文語=倭語ルーツ分析の原則

 日本語が東南アジア・中国の「主語―動詞-目的語」(SVO)言語構造ではなく、インドなどの「主語-目的語-動詞」(SOV)言語構造であり、しかも「倭音倭語・呉音漢語・漢音漢語」の3層構造であることは、「主語-目的語-動詞」(SOV)言語で倭音倭語(いおんいご)の社会が成立した後に、呉音漢語・漢音漢語が借用語として広まったことを示しています。―縄文ノート「25 『人類の旅』と『縄文農耕』、『3大穀物単一起源説』」「41 日本語起源論と日本列島人起源説」「42 日本語起源論抜粋」参照

   

 この事実は、「弥生人(中国人・朝鮮人)による縄文人征服説」を裏付ける支配的言語の変遷などなく、縄文語がそのまま倭語となったことを示しており、縄文語のルーツが「主語-目的語-動詞」言語のインド・チベットビルマミャンマー)、さらにはアフリカの「主語-目的語-動詞」言語に遡る可能性が高いことを示しており、大野晋氏のドラヴィダ(タミル)語起源説は見直されるべきと考えます。

 なお、インド・ビルマなど他民族の支配を受けた国では、支配的言語は侵略民族語に入れ替わっている可能性が高く基礎語の統計的解析など意味がなく、元の民族固有の宗教語や農耕語などの継承性・希少性の高い言葉の比較が求められます。―縄文ノート「30 『ポンガ』からの『縄文土器縁飾り』再考」「38 『霊(ひ)』とタミル語peeとタイのピー信仰」「80 『ワッショイ』と山車と女神信仰と『雨・雨乞いの神』」「128 チベットの『ピャー』信仰」「132 ピュー人(ミャンマー)とピー・ヒ信仰」等参照

 

3 倭語(縄文語)とY染色体D型からの日本列島人起源論・人類起源論へ

 世界のどの民族も同じですが、アフリカをでた時期や分岐、合流時期が異なるDNAが混じり合った「多DNA民族」です。

 しかしながら、わが国は島国で太平洋戦争で敗北しアメリカに支配されるより前に他民族の征服されたことがなく、Y染色体D型が多いという特徴があります。

 このY染色体D型族は、アフリカ西海岸熱帯地域に残ったY染色体E型(コンゴイド)と分岐しており、他にはチベットビルマ雲南の山岳地域やミャンマー沖のアンダマン諸島バイカル湖近くのブリヤート人樺太と対岸の沿海州にしかまとまって存在ことから、「主語-目的語-動詞」言語の分布と重ね合わせると、旧石器時代・土器時代(新石器時代縄文時代)の日本列島人の移動をたどることができます。

 

       

 アフリカの糖質・DHA食による人類誕生地や、アフリカの神山天神信仰や母系制社会の地母神信仰、海人族の母族社会文化、アフリカの黒曜石利用文化、山人族の焼畑農耕文化などの拡散ルートをたどることができ、人類史解明に大きな役割を果たせるという利点をもっています。

 縄文社会文化やスサノオ大国主建国の八百万神信仰などは、このような世界史解明の鍵となる文明として世界遺産登録の価値があります。

 若い世代の皆さんには、狭い専門分野と地域主義を越え、世界文明の解明に向けて研究を進めていただくとともに、世界遺産登録運動を進めていただくことを期待したい思います。

 

□参考□

 

 <本>

 ・『スサノオ大国主の日国(ひなのくに)―霊(ひ)の国の古代史―』(日向勤ペンネーム)

 ・『邪馬台国探偵団~卑弥呼の墓を掘ろう~』(アマゾンキンドル本)

<雑誌掲載文>

 2012夏「古事記」が指し示すスサノオ大国主建国王朝(『季刊 日本主義』18号)

 2014夏「古事記播磨国風土記が明かす『弥生史観』の虚構」(前同26号)

 2015秋「北東北縄文遺跡群にみる地母神信仰と霊信仰」(前同31号)

 2017冬「ヒョウタンが教える古代アジア”海洋民族像”」(前同40号)

 2017冬「スサノオ大国主建国論1記紀に書かれた建国者」(『季刊山陰』38号)

 2018夏「スサノオ大国主建国論2「八百万の神々」の時代」(『季刊山陰』39号)

 2018夏「言語構造から見た日本民族の起源」(『季刊 日本主義』42号)

 2018夏「スサノオ大国主建国論3航海王・スサノオ」(『季刊山陰』40号)

 2018秋「『龍宮』神話が示す大和政権のルーツ」(『季刊 日本主義』43号)

 2018冬「海洋交易の民として東アジアに向き合う」(前同44号)

 2019春「漂流日本」から「汎日本主義」へ(前同45号)

<ブログ>

  ヒナフキンスサノオ大国主ノート https://blog.goo.ne.jp/konanhina

  ヒナフキンの縄文ノート https://hinafkin.hatenablog.com/

  帆人の古代史メモ    http://blog.livedoor.jp/hohito/

  邪馬台国探偵団         http://yamataikokutanteidan.seesaa.net/

  霊(ひ)の国の古事記論 http://hinakoku.blog100.fc2.com/