ヒナフキンの縄文ノート

スサノオ・大国主建国論から遡り、縄文人の社会、産業・生活・文化・宗教などの解明を目指します。

2023年 賀春

 明けましておめでとうございます。

        

 戦争と気候大変動、新興感染症、巨大地震バブル崩壊、格差拡大・固定化などの時代を迎え、どう新たな世界を切り開くのか、スサノオ大国主建国論、縄文社会論、さらには人類起源論から考え続けています。

 そもそもの出発点は「ヒョウタンから縄文人」でした。若狭の鳥浜貝塚(12000~5000年前)や青森の三内丸山遺跡(約6000~4000年前)から発見されたヒョウタンの原産地が、次女が青年海外協力隊員として赴任していたアフリカ西部のニジェール川流域であることから、私の人類史の探究は始まりました。

 Y染色体C型から分岐したD・E型人のうちのD型縄文人に近いE型人がニジェール川コンゴ川流域に住み、「主語-目的語-動詞」言語族が西アフリカ―エチオピア―インド・ミャンマー―日本に分布し、イモやコメ・ムギ・トウモロコシ・ヒエ・アワなどのイネ科の「マザー・イネ」のルーツが分裂前のパンゲア大陸の熱帯である可能性が高いと考え、2014~2017年にかけて縄文人のルーツ西アフリカであることを確信しました。

 さらにボノボチンパンジー・ゴリラの生息域がアフリカ西部の熱帯雨林であることやボノボチンパンジーの食生活の研究から、西欧中心史観の東アフリカ・サバンナでの男の狩猟活動による人類誕生説(言語・二足歩行・脱毛)を批判し、西アフリカ熱帯雨林の海岸・小川・沼地地域での女・子どものイモ類の採集・栽培と半身浴漁撈による「糖質・DHA・タンパク食」と「おしゃべり」による1~3歳の頭脳発達と言語の誕生、「半身浴漁労」(足での貝の採集と銛での魚類・爬虫類捕獲)による直立歩行と道具使用、脱毛による人類誕生説に到達しています。「狩猟・採集」ではなく、「採集・栽培・漁労・調理」により人類は誕生したのです。

 イモ・穀類食は磨石(すりいし:石臼)と石釜・土釜(竃)・土器鍋による加工・加熱で可能になったのであり、それらの道具づくりは男ではなく女が行っていたのです。それはアフリカ製鉄を女性の陶工・土器製作者が担っていたことからも裏付けられます。―「ヒナフキンの縄文ノート122 『製鉄アフリカ起源説』と『海の鉄の道』参照

 

 日本列島にはアフリカ-インドーミャンマー経由のY染色体Ⅾ型人を中心にシベリアからC型人、東南アジア・中国からO型人など多様な人々が集まり、台湾・フィリピン・インドネシアのような多民族の島国とは異なり、同じ文化・言語の平和な縄文1万数千年の社会を作り上げたのです。

 それは、海を利用した活発な海人(あま=天)族の交易・交流による母系制社会の妻問夫招婚によるものであり、この縄文人からの母族社会は1~2世紀のスサノオ大国主の百余国の「委奴(いな=ひな)国」を生みだし、3世紀の卑弥呼の女王国に引き継がれ、さらには家計を妻に任せる漁民や専業主婦時代のサラリーマンにまで引き継がれているのです。

 中国においても、「姓=女+生」「地=土+也(女性器)」「男尊女卑(孔子:祖先の頭蓋骨を掲げる女に、男は酒樽を捧げる)」「魏=禾(稲)+女+鬼:祖先霊に女が稲を捧げる」などからみて、春秋戦国時代以前の農耕社会は地母神信仰、祖先霊信仰の母系制社会であったのです。

 マルクスは「原始共産社会」を理想と考えましたが、ユダヤキリスト教の男性中心史観の制約を免れていません。アフリカをルーツとするエジプト・メソポタミア・インダス・中国・ギリシア文明などは元々は母系制社会の地母神信仰・女神信仰であったのであり、それらの農耕国を征服し「男は殺し、女・子どもは奴隷とする」ことを神の命令として征服戦争を主導したのが狩猟・遊牧民族の男中心の旧約聖書教なのです。

 その影響下にある「肉食・戦争こそが人類を発展させた」という西欧中心文明史観(含む:マルクス主義)から卒業しない限り、プーツァーリ・プーターリンのウクライナ侵略をみても明らかなように人類は破滅への道を進む以外にないように思います。

 大国主が確立したすべての死者の霊(ひ=魂)を神として祀る八百万神信仰は、DNAの働きを「霊継(ひつぎ)」として考え、霊(ひ)を受け継ぐ「霊人(ひと)・霊子(ひこ=彦)・霊女(ひめ=姫)」たちは「霊継(ひつぎ=棺・柩)」を「DNAのリレー」として何よりも大事にし、この霊(ひ)の働きは全ての生類に共通すると考えたのです。

 この生類の「霊継(ひつぎ=DNAのリレー)」を神聖視する「女・子ども中心文明史観」の回復こそが今こそ必要であり、女性研究者が中心となった考古学・歴史学・人類学の革命が必要と考えます。

 広島・長崎に原爆投下し世界を支配しようとしたアメリカやそれを真似た原爆依存症のロシア・北朝鮮などが世界を滅ぼしかねない2023年に、以上のような生類の「霊継」を大事にする新しい世界づくりを「夢想(Imagine)」しています。

  

『Imagine』12月8日真珠湾攻撃の日に殺されたジョン・レノンオノ・ヨーコ

Imagine there's no countries 想像してごらん 国なんて無いことを

It isn't hard to do      そんなに難しくないでしょう?

Nothing to kill or die for  殺したり死ぬことも無い 

And no religion too      そして宗教も無い

Imagine all the people    想像してごらん みんなが

Living life in peace     平和に生きていると