「縄文ノート88 子ザルからのヒト進化説」の補足修正2
今、「縄文ノート89 1段階進化説か3階進化説か」として、乳幼児段階、子ども段階、大人段階のそれぞれの進化について、メスと子ども、オスの役割を考察していますが、「言語能力」の進化についてメスと子ザルの役割について書いていなかったことに気づきました。
「縄文ノート88 子ザルからのヒト進化説」に以下のような補足を行いました。
4 メスと子ザルが発達させた言語能力
「縄文ノート85 『二足歩行』を始めたのはオスかメス・子ザルか」において、私は「ボノボに見られるようなメス同士と子の群れでの採集活動や食物分配、子ども同士遊びなどはコミュニケーションと言語能力を高め、糖質とDHA摂取により急速に頭脳の発達を促したと考えられます」と書きましたが、サルからヒトへの言語能力の発達には、採集・分配・子育て・生活の共同・分担を通した「メス同士のコミュニケーションとおしゃべり遊び」と「メスと子ザルのコミュニケーションとおしゃべり」「子ザル同士のコミュニケーションとおしゃべり」の3つが重要な役割を果たしたと考えます。
ヒトが話せるようになったのは、単に「コミュニケーションの必要性」だけでなく、「おしゃべりや歌」の遊びがあったと考えます。子どもの道具遊びや追いかけっこなどとともに、「遊び」は人類進化に大きな役割を果たしたのではないでしょうか。
私の両祖父母の家、私の家、小学校時代をみても、家族同士・友達同士で話すことについては女性が中心であったとしか思い出せません。「おしゃべり男」と言えるような同級生・友人・知人は少数ですが、父から「口から先に生まれた」と言われ続けた叔母など、思い当たる女性はたくさんいます。
男女の会話量と内容についての統計は見たことがありませんが、経験的にいえば「言語能力は女性と子どもが発達させた」という進化法則は間違いないように思います。
祖父や大叔父、父、叔父、私は食事や食後の団らんの時もだいたい寡黙であり、会話はもっぱら祖母や大叔母、叔母、妻、娘が中心でした。小学生の時に男子と女子たちで言い合いになると、だいたい男子が言い負けていましたから(男子が悪いことが多かったので当然といえばそうですが)、男子たちはそのような事態になることを避けていました。
「口がとんがっている」「言いたそうな口をしている」などといいますが、そんな小学校同級生の「山〇△子」さんとはよく言い合いになりましたが、「〇〇が△△だから、□□も◇◇よ」という類推ランダム攻撃の能力は抜群で、「よくそんな理屈を思いつくなあ」といつも反論ができずタジタジでした。私の長女と長男の言い合いを聞いていても全く同じで、長男が「何でも持ち出してくる」とよく怒っていました。
女性が社交的・友好的なのは、「鶏が先か卵が先か」という問題がありますが、この「おしゃべり遊び能力」にたけている、ということと無関係ではないように思います。それは女性同士の助け合いと乳幼児期の濃密な親子のコミュニケーションとおしゃべりで養われてきたとしか考えられません。
昔、「男は黙って〇〇ビール」というコマーシャルや、「女は無口なひとがいい」という舟唄のフレーズがありましたが、そんな光景が思い浮かぶのは私だけでしょうか?
以上は全くの個人的な体験をもとにした考察ですが、チンパンジーやボノボ、ゴリラの生態を分析する際には、人間の女性・子どもの生態と対照して考察すべきでしょう。オス型社会のチンパンジーやゴリラは人間にはなれない進化をたどったのです。
□参考□
<本>
・『スサノオ・大国主の日国(ひなこく)―霊(ひ)の国の古代史―』(日向勤ペンネーム)
・『邪馬台国探偵団~卑弥呼の墓を掘ろう~』(アマゾンキンドル本)
<雑誌掲載文>
2017冬「ヒョウタンが教える古代アジア”海洋民族像”」(『季刊 日本主義』40号)
2018夏「言語構造から見た日本民族の起源」(『季刊 日本主義』42号)
2018冬「海洋交易の民として東アジアに向き合う」(『季刊日本主義』44号)
2019春「漂流日本」から「汎日本主義」へ(『季刊 日本主義』45号)
<ブログ>
ヒナフキンのスサノオ・大国主ノート https://blog.goo.ne.jp/konanhina
ヒナフキンの縄文ノート https://hinafkin.hatenablog.com/
帆人の古代史メモ http://blog.livedoor.jp/hohito/
邪馬台国探偵団 http://yamataikokutanteidan.seesaa.net/
霊(ひ)の国の古事記論 http://hinakoku.blog100.fc2.com/