ヒナフキンの縄文ノート

スサノオ・大国主建国論から遡り、縄文人の社会、産業・生活・文化・宗教などの解明を目指します。

「縄文ノート85」の修正 210722

 素人が限られたネットデータをもとに自分の頭で考えて「仮説的」に論を書き、あとで関係する基礎資料を読むにつれていろいろと修正点がでてきています。「縄文ノート85 『二足歩行』を始めたのはオスかメス・子ザルか」(210713)について、いくつか修正を行いました。

 特に重要な点は、ボノボ研究者の黒田末寿氏が『人類の進化と起源』において、「採食技術としての道具使用は雌の方が上手でかつ長時間行う。これらは採集滑動に相応し、採集仮説で強調される女による採集活動での道具使用の発達の根拠はここにある」と書いていたことを追加したことです。

 道具使用と手の発達がメス主導であったことを黒田氏が明らかにしていたことを見逃していました。私の「メス・子ザル主導進化論」の強力な裏付けがでてきました。

 

<修正点>

修正1 お恥ずかしい話ですが、ずっと「狩猟採集」を「狩猟採取」と誤って覚えており、修正しました。

 

修正2 写真を2枚、追加しました。

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修正3 二足歩行への移行を、「熱帯雨林の小川や沼の泥の中で食べ物を毎日のように何時間か探していたサルのメスや子たちもまた、雨季になって水量が増えると顔だけ水上に出して立って足で獲物を捜したに違いありません」と、雨季における行動としてアンダーライン部分を追加しました。

 

修正4 新たに次の1項目を追加しました。

 

4 「道具使用と手の発達」について

 黒田末寿氏は『人類の進化と起源』において、「採食技術としての道具使用は雌の方が上手でかつ長時間行う。これらは採集滑動に相応し、採集仮説で強調される女による採集活動での道具使用の発達の根拠はここにある」と書いています。

 これまで、道具使用は「サバンナに降りた男が野獣からの防御や草食動物の狩りのために棍棒や槍を使用するようになって手の機能が発達し、石器作成が行われるようになった」と解説されてきましたが、ボノボの観察を通して黒田氏は道具使用と手の発達がメス主導であったことを明らかにしています。

 木の上に逃げられる安全な熱帯雨林の小川や沼で、毎日、数時間の採集活動を行い、雨季には水中に立って獲物を捜すなかで、棒を使って小動物などを仕留めたり、穴を掘ってイモや幼虫などを獲るために棒を使うようになり、二足歩行と道具使用、手機能向上が同時にできるようになった可能性が高いと考えます。

 なお、ボノボに見られるようなメス同士と子の群れでの採集活動や食物分配、子ども同士遊びなどはコミュニケーションと言語能力を高め、糖質とDHA摂取により急速に頭脳の発達を促したと考えられます。