ヒナフキンの縄文ノート

スサノオ・大国主建国論から遡り、縄文人の社会、産業・生活・文化・宗教などの解明を目指します。

縄文ノート77 「北海道・北東北の縄文遺跡群」世界文化遺産登録の次へ

 三内丸山遺跡大湯環状列石など4道県17遺跡で構成される「北海道・北東北の縄文遺跡群」について、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の諮問機関のイコモス(国際記念物遺跡会議)が世界文化遺産への登録を勧告したことを、5月26日に文化庁が発表しました。関係者の十数年にわたる先駆的な粘り強い努力が報われたことに対し心から敬意を表し、ともに喜びたいと考えます。

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 ただ、「農耕・牧畜を基盤とした同時期の世界の文明と異なり、縄文社会が採集・漁労・狩猟社会」とした点については、私は西欧中心主義の文明規定としてこれまで批判してきたところであり同意できず、日本の縄文文化・文明の全体を代表していない点についても課題を残していると考えます。

 「縄文ノート49 『日本中央縄文文明』の世界遺産登録をめざして」「縄文ノート59 日本中央縄文文明世界遺産登録への条件づくり」などをもとに、それ以降の日本民族起源論と古代文明論の深化をふまえて、縄文世界遺産登録について再検討してみたいと思います。

 

1 「北海道・北東北の縄文遺跡群」は日本の縄文文化・文明全体を代表していない

 私が2006(平成18)年に青森県から始まった「北海道・北東北の縄文遺跡群」の世界遺産登録運動に触発され、私が「金精信仰と神使(しんし)文化を世界遺産に」「群馬・新潟・長野縄文文化世界遺産登録運動」の提案を行ったのは2015年のことでしたが、その頃の私の縄文についての知識は乏しく、次のような主張でした。

 

② 「北海道・北東北の縄文遺跡群」と比べて、「群馬・長野・新潟縄文文化遺産」の世界に誇るべき優れた点は、多様な縄文土器やアクセサリー(耳飾など)の芸術性の高さと縄文文化地母神信仰、金精信仰)を現代に伝える祭りが片品村などに残されていることである。そして、「石器時代―土器時代―鉄器時代」という歴史区分を提案できる歴史の連続性を持っていることである。

③ 世界遺産登録の「6 顕著な普遍的価値を有する出来事(行事)、生きた伝統、思想、信仰、芸術的作品、あるいは文学的作品と直接または実質的関連がある」の基準は、まさに猿追い祭りや金精信仰など現代に引き継がれているのである。

 

 現代に続く金精信仰や混浴、浮世絵などから、儒教の「禁欲的・画一的・秩序的」な文化に対し、日本文化の特徴を「開放性・多様性・共同性」として対置させるとともに、スサノオ大国主の八百万神の「霊(ひ)信仰」が縄文時代から連続していることを明らかにし、さらに2014年の「霊(ひ)信仰の動物変身・擬人化と神使(しんし)、肉食と狩猟」など「ひと(霊人)だけでなく生類全体」の霊(ひ)信仰もまた縄文時代から続くと考えました。

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 「北海道・北東北の縄文遺跡群」は世界遺産登録の評価基準の「3 現存するか消滅しているかにかかわらず、ある文化的伝統又は文明の存在を伝承する物証として無二の存在(少なくとも希有な存在)である」「5 あるひとつの文化(または複数の文化)を特徴づけるような伝統的居住形態若しくは陸上・海上の土地利用形態を代表する顕著な見本である。又は、人類と環境とのふれあいを代表する顕著な見本である(特に不可逆的な変化によりその存続が危ぶまれているもの)」の遺跡として申請していますが、「1 人間の創造的才能を表す傑作である」「6 顕著な普遍的価値を有する出来事(行事)、生きた伝統、思想、信仰、芸術的作品、あるいは文学的作品と直接または実質的関連がある」という評価基準を満たしている縄文文化の重要な価値がスッポリと抜け落ちています。

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 「北海道・北東北の縄文遺跡群」世界遺産登録運動の先駆性とその実行力は高く評価したいと思いますが、「火焔型土器」「耳飾り」や「縄文のビーナス」「仮面の女王」「妊娠土偶」「神名火山(神那霊山)信仰」「海洋交易文明」「黒曜石文明」だけをとってみても、縄文文化・文明の全体を網羅しておらず、部分的な評価にとどまっていると言わざるをえません。

 「北海道・北東北の縄文遺跡群」だけではなく、①⑥を含めた新たな評価基準による縄文文化・文明全体の申請が求められます。

 私は「日本中央縄文文明」の世界遺産登録を提案してきましたが、縄文人がアフリカを出発して日本列島にたどり着き、広がり、交流してきた歴史全体を考えると、沖縄から九州、若狭、北陸、東北・北海道へと続く対馬暖流の海人族文化・文明(母系制社会文化・文明)や照葉樹林帯の山人族の文化・文明を含めた、全国の縄文文化・文明の申請についての検討が必要と考えるようになりました。

 

2 西欧中心主義の文明基準の見直しへ

 イコモス(国際記念物遺跡会議)の時代区分規定は、「農耕・牧畜社会」=「文明段階」、「採集・漁労・狩猟社会」=「未開段階」「先史時代」とする古くさい差別的な、西欧中心主義の文明観に基づいており、日本の拝外主義の歴史家たちもこの西欧中心文明史観にひれ伏していると言わざるをえません。

 画一的・単線的な西欧中心主義の文明観に対し、各地域の環境・産業・歴史・宗教・文化に対応し、梅原猛氏は「森の文明論」、中尾佐助・佐々木高明氏らは「照葉樹林文明論」、梅棹忠夫氏は「遊牧民文明論」「生態史観文明論」、安田喜憲氏は「森の文明」「稲作漁撈文明」「日本海文明」「生命文明」など多角的文明論、川勝平太氏は「海洋文明論」を提案し、私は「霊(ひ)信仰文明(神山天神信仰文明)」「共同体社会文明」の提案を追加しましたが、文明の西欧基準を崇拝し従属するのではなく、文明のアフリカ・アジア・南北アメリカ基準を提案すべきと考えます。―「縄文ノート48 縄文からの『日本列島文明論』」、「縄文ノート49 『日本中央縄文文明』の世界遺産登録をめざして」、「縄文ノート51 縄文社会・文化・文明論の経過と課題」参照

 

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 今、国連が求めている「持続可能な社会(Sustainable society)」あるいは「持続敵開発可能な目標(Sustainable Development Goals: SDGsエスディージーズ)」を目指すのであれば、西欧文明概念の見直しこそまず行うべきと考えます。評価基準の5では「人類と環境とのふれあいを代表する顕著な見本」という項目が見られますが、「全生類の命(DNA)」を中心に置いた文明観からの新たな文明基準を提案すべきではないでしょうか?
 すでに和食がユネスコ無形文化遺産に登録されたように、恵まれた海・川・山・森・里の自然に育まれた和食は健康長寿で持続可能な食文化・文明として世界に認知されてきており、その起源は縄文時代に遡るのです。

 熱帯雨林を破壊するプランテーション、アフリカ・アジアの塩害を招く灌漑農業やアメリカの化石水灌漑の大規模農業、化学肥料・農薬・除草剤・放射性廃棄物温室効果ガスなどによる地球環境汚染、森林を破壊し大量のメタンガスを発生させる牧畜、海水温上昇によるサンゴ礁の消滅、マイクロプラスチックによる漁業・生態環境の深刻なダメージ、新興感染症の頻発の危機など、第1次産業革命(農業革命)、第2次産業革命(工業・流通革命)、第3次産業革命(情報・通信革命)による自然破壊と世界単一市場化・格差拡大への不満の爆発など、現在と将来の生命と共同体崩壊の深刻な影響が心配されています。

 世界の生類の現在と将来の生命や人権、生活、共同性などを基準に考えると、格差社会化と戦争・紛争の近・現代こそ「野蛮・未開社会」であり、世界遺産の文化・文明の基準を「命(DNA)の持続可能な社会」に向けて再構築すべき時と考えます。

 縄文文明は農業革命以前の狩猟・漁労・採取の「未開社会」としてではなく、「命(霊と霊継ぎ)」を大事にする持続可能な「種実・イモ・豆・副穀・魚介食」の「共同体文明」としてとらえなおすべきです。

 登録基準には、「命(DNA)の持続可能な社会の見本となる文化・文明」という新たな基準を提案すべきと考えます。

 古代軍国主義帝国主義奴隷制国家のギリシア・ローマ文明を「文明基準」とするのではなく、この新たな文化・文明観をもとにした世界遺産登録基準の提案から始める必要があると考えます。

 地域・地球環境の悪化と格差社会化を招いた「文明=civilization(都市化)」という規定そのものを問い直す、自然に生かされ、人間の創造的才能を育み、共に支えあい尊重しあう豊かな共同体社会をめざす共生・共同型社会を基準とした文明観の確立へ向けた取り組みこそが必要です。 

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3 人類拡散と古代アフリカ・アジア・アメリカ文明の繋がりを示す縄文文明

 「北海道・北東北の縄文遺跡群」は縄文文化として「採集・漁労・狩猟社会」「森(里山)の文明」という独自性を強調していますが、縄文文化・文明はアフリカで現生人類が誕生し、世界に分散する中で育んできた各文化・文明の繋がりを示すことができる唯一の重要な文化・文明と私は考えます。

 アフリカ・ナイジェリアのイボ族などのY染色体E型と分岐したY染色体D型の縄文人は、「主語-目的語-動詞」言語族の移動、霊(ひ)信仰に基づく天神信仰の神名火山(神那霊山)・神籬(霊洩木)・磐座信仰、地母神信仰の母系制社会を示す妊娠土偶や女神像・石棒(金精)・円形石組・環状列石、土器製作・黒曜石採掘・加工の広域分業体制、日本海の広域交易体制、イネ科植物やイモ類、容器になるヒョウタンなどの拡散、イモ・豆・魚介食文化、インダス文明の担い手であったドラヴィダ族の信仰・農耕言語(倭音倭語)の継承、アフリカの円形平面住宅を引き継いだ竪穴式住居、東南アジア海人(あま)族の竹筏・丸木舟や照葉樹林帯の山人(やまと)族のモチ食文化など、アフリカからの人類・文化拡散の痕跡をはっきりと示しています。

 

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 7000近い島からなる日本列島は豊かな食料に恵まれ、他民族の侵略・支配を受けていない特殊性から、旧石器時代縄文時代からスサノオ大国主建国、さらには現代の宗教・祭り、多様なDNAまで多くの人類拡散の歴史解明の手がかりを伝えており、人類拡散史・文明史を解明する最も重要な位置にあることを世界にアピールすべきと考えます。

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4 ユネスコ無形文化遺産の「山・鉾・屋台行事」「和食」と4つの宗教世界遺産からの縄文世界遺産登録へ  

 「北海道・北東北の縄文遺跡群」の登録は、残念なことに縄文文化について、これまでユネスコ無形文化遺産された「山・鉾・屋台行事」「和食」と4つの宗教世界遺産縄文文化との繋がりをアピールできていません。縄文文化・文明と現代を繋ぐことのない「バラバラ事件」なのです。

 

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 その原因は次のとおりであり、縄文文明の世界遺産登録のためには新たな歴史観にもとづく理論構築が求められます。

 第1は、縄文人の宗教を原始共同体の「自然宗教」とし、氏族・部族共同体社会の「霊(ひ:祖先霊)信仰」を認めず、提案できていないことです。

 その欠点は、日本の史学会全体の責任と言えますが、記紀風土記などに記載され今も各地で伝承されている「八百万神信仰」の「スサノオ大国主建国神話」を8世紀の大和朝廷の創作とし、縄文文化・文明と切り離してしまったことにあり、スサノオ大国主一族の「山・鉾・屋台行事」や「4つの宗教世界遺産」との繋がりを失ってしまったのです。

 第2は、マルクス主義歴史観の影響を受け、古代を「原始共産制」「奴隷制」に分ける時代区分説をわが国に当てはめ、縄文時代を理想的な「原始共産制社会」とし、稲作による私有財産により階級分化がおこり「古代奴隷制社会」の大和朝廷が成立したとしたため、出雲神道の「山・鉾・屋台行事」や「4つの宗教世界遺産」は縄文時代とは無関係とされたのです。

 第3は、水田稲作をもたらした「弥生人朝鮮人・中国人)による縄文人征服説」にとらわれ、甚だしきは天皇家のルーツを朝鮮人とするなど、縄文時代弥生時代を完全に切断してしまったため、「縄文時代の宗教は太陽信仰」などとされ、現代に続く「山・鉾・屋台行事」「4つの宗教世界遺産」とは切り離されてしまったのです。

 第4は、根強い大和朝廷・封建時代の「米信仰」にとらわれ、農耕開始を「水田稲作」におき、イモや熱帯ジャポニカ陸稲・豆類・副穀(雑穀)栽培を無視したことです。

 世界中の石臼(石皿)は石器時代から現代まで穀類をすり潰す道具とされているにも関わらず、なぜか日本だけは「クリ類」をすり潰してクッキーにするための道具とされ(クリ・クルミなどはそのまま食べるでしょう)、縄文土器鍋は「ただの深鉢」「ドングリあく抜きの深鉢」にされ、土器鍋のおこげに見られるC3植物(イモ、イネ、オオムギ、アズキなど)とC4植物(アワ、キビ、ヒエ、モロコシ)のイモ・豆・穀類食は無視されています。―「縄文ノート25 『「人類の旅」と『縄文農耕』、『3大穀物単一起源説』」、「縄文ノート26  縄文農耕についての補足」、「縄文ノート28 ドラヴィダ系山人・海人族による日本列島稲作起源論」、「縄文ノート29 『吹きこぼれ』と『おこげ』からの縄文農耕論」参照

 「北海道・北東北の縄文遺跡群」には長野県茅野市や富士見町の縄文遺跡に見られるような石器農具が見られないことや、スサノオ大国主一族の守谷氏や諏訪氏の神社・祭りなどがないため、縄文農耕については取り上げられなかったのはやむを得ないのですが、縄文文化・文明の全体を代表していないことを表明すべきでしょう。

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 以上、第1~4の検討を行った上で、縄文文明とユネスコ無形文化遺産の「山・鉾・屋台行事」「和食」と4つの世界遺産(宗教)と結びつけた世界遺産登録が求められます。

 

5 「麦・乳・肉食文明」史観から健康長寿・持続可能な「クリ・イモ・豆・米・副穀・魚介食文明」史観へ

 農耕文化について、中尾佐助氏氏は根栽農耕文化、サバンナ農耕文化、地中海農耕文化、新大陸農耕文化という分類を行っています。―「縄文ノート26 縄文農耕についての補足」参照

 

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 中尾氏は「農耕の起源」として4つのタイプを示し、イネ科のサトウキビ・シコクビエ・オオムギ・コムギ・トウモロコシをあげながら、イネについて触れていないのは実に奇妙です。イネの起源(陸稲水稲)に確信が持てなかったからと思いますが、私はイネ科植物単一起源説に立ち、「アジア・アフリカ熱帯・亜熱帯農耕文化」を付け加え、陸稲起源をニジェール川流域、水稲起源を東南アジアとすべきと考えます。―「縄文ノート55 マザーイネのルーツはパンゲア大陸」等参照 

 主穀の分類では、麦食、アワ・ヒエ・キビ食、米食、トウモロコシ食の4つの文明に分けるべきであり、そのルーツは全てゴンドワナ大陸の現在の西アフリカと南アメリカ東部あたりと考えます。

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 明治以降の「和魂洋才」の肉食と敗戦後に占領軍からもたらされた「パンと牛乳」の「麦・乳・肉食文化」を崇拝し、「クリ・イモ・豆・米・副穀(雑穀)・魚介食文化」を低級なものとしてきましたが、今や健康長寿の豊かな食生活として米・雑穀食や和食は世界に広まっています。

 森の恵みと森を活かした循環型の焼畑(畑=火+田)農業、森からの栄養分豊かな水に育まれた水田・畠作農業(水田は乾季には「畠(白+田)」になる)と川・海の水産業は「持続可能な循環型食料生産」であり、縄文文明は「霊(ひ)信仰」とともに「循環型食料生産」として「命(DNA)の持続可能な社会の見本となる文化・文明」として登録を果たすべきと考えます。

 

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 なお、日本の縄文学は東日本の「クリ食地域」の研究が主流であって「縄文農耕」をまだ認めておらず、土器鍋のおこげ分析と花粉分析、インドのドラヴィダ族起源の「ポンガ」のカラス祭りなどにより、縄文農耕の証明が求められます。

 

6 「縄文文化・文明」の保存・回復を!

 今回、「北海道・北東北の縄文遺跡群」の世界文化遺産への登録勧告において、諮問機関のイコモス(国際記念物遺跡会議)が、「不適切な構造物」(大湯環状列石を横断する道路など)の撤去や民間所有の土地の公有地化を求めたことに注意する必要があります。

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 「日本中央縄文文明」(今後全国に拡張の検討必要)においては、縄文ノート35 蓼科山を神名火山(神那霊山)とする天神信仰」において、「縄文人の宗教、ひいては世界の共同体文明の宗教・文化を・社会を解明するうえでかけがえのない、大湯環状列石以上に重要な価値のあるこの阿久遺跡が高速道路建設によって分断されたことは、世界遺産登録にあたってのブレーキとなることが心配されます。もし世界遺産登録を願うなら再発掘し、国営吉野ヶ里歴史公園のような国の特別史跡の国営歴史公園の整備を求めるべきでしょう」と書きましたが、阿久遺跡の再整備と合わせて、集団墓地である阿久遺跡を造った住民集落の発見・調査・整備とともに、日本・世界の神山天神信仰地母神信仰をまとめた展示施設の整備が求められます。

 また、「石とレンガの文化・文明」に対し、縄文時代からスサノオ大国主建国、さらには現代にまで続く「木と竹と土の文明」に焦点をあて、神名火山(神那霊山)である蓼科山信仰の高楼神殿の可能性が高い中ツ原遺跡の巨大8本柱建築の復元を検討すべきです。

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  アフリカのルーツに遡ることのできる縄文文明は「西欧中心主義の経済文明史観」の行き詰まりへの問題提起となるものであり、「命(DNA)の継承」=「霊継(ひつぎ)」にもっとも重要な価値を置いた持続可能な社会へ向けて、全世界の注目を集め、交流を深めることに繋がることは確実です。ポストコロナの国際観光戦略としても、「国営縄文歴史公園」のレベルの取り組みが求められます。

 

7 「縄文文明」の世界遺産登録へ

 現時点の私の提案は「日本中央縄文文明」の世界遺産登録運動ですが、アフリカからの民族移動を考えると海人族の交流・交易による日本列島全体の「縄文文明」の世界遺産登録が欠かせません。

 人類拡散の世界史への手掛かりを与える「(3) 現存するまたは消滅した文化的伝統または文明の、唯一のまたは少なくとも稀な証拠」「(5) ある文化(または複数の文化)を代表する伝統的集落、あるいは陸上ないし海上利用の際立った例。もしくは特に不可逆的な変化の中で存続が危ぶまれている人と環境の関わりあいの際立った例」として、太平洋・東シナ海日本海に沿って広がった海人(あま)族の文化・文明と山人(やまと)族の神山天神信仰・黒曜石文化などをさらに追加・整理し、「縄文文明の世界遺産登録」の取組として提案したいと考えます。

  

□参考□

<本>

 ・『スサノオ大国主の日国(ひなこく)―霊(ひ)の国の古代史―』(日向勤ペンネーム)

 ・『邪馬台国探偵団~卑弥呼の墓を掘ろう~』(アマゾンキンドル本)

<雑誌掲載文>

 2017冬「ヒョウタンが教える古代アジア”海洋民族像”」(『季刊 日本主義』40号)

 2018夏「言語構造から見た日本民族の起源」(『季刊 日本主義』42号)

 2018冬「海洋交易の民として東アジアに向き合う」(『季刊日本主義』44号)

 2019春「漂流日本」から「汎日本主義」へ(『季刊 日本主義』45号)

<ブログ>

  ヒナフキンスサノオ大国主ノート https://blog.goo.ne.jp/konanhina

  ヒナフキンの縄文ノート https://hinafkin.hatenablog.com/

  帆人の古代史メモ    http://blog.livedoor.jp/hohito/

  邪馬台国探偵団         http://yamataikokutanteidan.seesaa.net/

  霊(ひ)の国の古事記論 http://hinakoku.blog100.fc2.com/