ヒナフキンの縄文ノート

スサノオ・大国主建国論から遡り、縄文人の社会、産業・生活・文化・宗教などの解明を目指します。

縄文ノート68 旧石器人・中石器人は黒人

 アメリカの「ホワイト・パワー」「ホワイトプライド」を掲げる白人至上主義者たちは、自らを角のついた兜をかぶるバイキングやキルトを履いたスコットランド人とみなしたがるようです。

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 アメリカが先頭に立って進めたグローバル経済化により不利益を被り、自尊心を損なわれた白人たちが少なくないことは解りますが、白人であるということしか優位性を感じることができない彼らに対してどうすればいいか、考えさせられます。

 

白人至上主義者たちの錯覚

 このようなスタイルを好む白人至上主義者たちの歴史認識には大きな錯覚が見られます。

 そもそも雄牛崇拝のルーツはメソポタミア・アラブの至高の神・エルであり、クレタ島ミノタウロスヒンズー教の死の神ヤマ、エジプトの救世主ウシル(オシーリス)・ヘル(ホルス)信仰など中東の神なのです。当時のバイキングの遺跡からはこのような角つき兜は出土しておらず、そもそもキリスト教徒による差別的な野蛮人イメージづくりが「牛の角つき兜」であることを彼らは知らないようです。

 さらに、キルトを履いたスコットランド人のルーツはケルト系とされていますが、イングランド南西部のサマセット州のチェダーで発見された1万年前の「チェダーマン」は黒い肌であったことがDNA解析で明らかにされ、写真のような顔の復元が行われています。―2018.02.09『ナショナルジオグラフィックhttps://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/18/020900061/

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 白人至上主義者らもまた1万年前には黒人であったのであり、彼らの黒人・黄色人差別・迫害はアフリカを起源とする自らのルーツに唾する行為にほかなりません。

 

ヨーロッパの中石器人は黒人

 英ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)の科学者マーク・トーマス氏によれば、「実は、スペイン、ハンガリールクセンブルクから中石器時代の黒い肌を持つ古代人が見つかっており、そのDNA配列はすでに解明されている。今回行われた新たなDNA分析により、チェダーマンは彼らと遺伝的に近いことが証明された。また、1万1000年ほど前の最後の氷河時代の末期にヨーロッパに移住したと考えられる狩猟採集民の一団に属していたこともわかった」(前同)というのです。

 「中石器時代」というのは日本人には馴染みがない定義ですが、ウィキペディアによれば「社会の形態は狩猟採集社会であった。この時代の遺跡は極めてまれであり、ほぼ貝塚に限られている。ほとんどの地域の中石器時代は、小型複合燧石(細石器と細刻器)によって特徴付けられる。漁労具、石製手斧、カヌーや弓矢のような木製品が、いくつかの遺跡で見つかっている」とされ、世界の森林地帯では農耕のために森林の伐採が本格的に開始される前の新石器時代初期とされています。

 レバント地方(シリア、レバノン、ヨルダン、イスラエルパレスチナ)では2.2~1.1万年前頃、ヨーロッパでは1.0~0.7万年前頃とされ、日本では細石刃文化に相当するとされ、全国で500か所を越える細石刃遺跡は北海道と九州に多く、2.0~1.2万年頃とされています。

 なお、長崎県佐世保市吉井町の3.2万年以上前から縄文時代草創期にかけての福井洞窟遺跡では、1.2~1.3万年前より古い層から伊万里市の腰岳や佐世保市針尾島の黒曜石が発掘されており、1.2~1.3万年前頃からの土器時代(縄文時代)へと連続した遺跡となっています。

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 なお、旧石器時代・中石器時代縄文時代の遺跡の連続性については重要なテーマであり、別の機会に考察したいと考えます。

  

肌の色を決めるDNA

 肌の色にはTYR遺伝子チロシンからメラニンへの変換に関与する酵素を産生する遺伝子で、TT型TG型は肌の色が地黒傾向)、OCA2遺伝子チロシンなどの輸送に関与するタンパク質を産生する遺伝子で、TC型CC型は肌の色が白い傾向)、LC45A2遺伝子メラニン合成に関与する遺伝子で、AC型CC型は肌の色が白い傾向)とされています。

https://genelife.jp/gene-dictionary/genesis2/constitution_bone-703.html

 ウィキペディアは「現生人類の祖先はネグロイドのような黒褐色の皮膚を持っており、出アフリカ後、ユーラシアにおいてモンゴロイドコーカソイドが独立に皮膚を白色化させたと考えられ、両人種における肌を白色化させる遺伝子は異なると推定されている」としており、上記のたった3種類の遺伝子が影響しているようです。

 英国人遺伝学者アダム・ラザフォード氏によれば、「アフリカ大陸のなかだけでも、遺伝子の多様性はその他の全世界を合わせたよりも大きい」(2017.10.19「人種の違いは、遺伝学的には大した差ではない」ナショナル・ジオグラフィックNews)というのであり、現代の経済的・政治的問題を人種対立にすり替えることは許されません。

 米ピュー・リサーチ・センターが2015年11月に明らかにした調査ではアメリカ人のほぼ6割が進化論派になり、2004年11月に米CBSテレビが行った世論調査の55%が神による「創造論」を信じていると答えていたのに対し、10年で進化論が多数派となっていると伝えられています(『日経ビジネス』2019.7.26)。

 白人至上主義者たちはもはや少数派となっていると思いますが、近代的奴隷制度を最後まで維持し、トランプ大統領を登場させ、コロナ感染拡大を招きながらその失政を全面的に中国に押し付けようとした国であり、白人至上主義者少数派の暴発による黒人・アジア人迫害が心配です。

 

旧石器人は黒人

 「縄文ノート65(Ⅴ-9) 旧石器人のルーツ」では国立科学博物館等による日本の旧石器人の白保人と港川人の復元を紹介しましたが、遺伝子分析により皮膚の色が黄色であると解明できない限り、「チェダーマン」のような黒人として再現すべきでしょう。

  

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 今後もアメリカで黒人・アジア人迫害が心配される以上、黒人や南北アメリカ原住民への連帯を示し、「人類は元はみな黒人」をアピールすべきと考えます。

 

□参考□

<本>

 ・『スサノオ大国主の日国(ひなこく)―霊(ひ)の国の古代史―』(日向勤ペンネーム)

 ・『邪馬台国探偵団~卑弥呼の墓を掘ろう~』(アマゾンキンドル本)

<雑誌掲載文>

 2017冬「ヒョウタンが教える古代アジア”海洋民族像”」(『季刊 日本主義』40号)

 2018夏「言語構造から見た日本民族の起源」(『季刊 日本主義』42号)

 2018冬「海洋交易の民として東アジアに向き合う」(『季刊日本主義』44号)

 2019春「漂流日本」から「汎日本主義」へ(『季刊 日本主義』45号)

<ブログ>

  ヒナフキンスサノオ大国主ノート https://blog.goo.ne.jp/konanhina

  ヒナフキンの縄文ノート https://hinafkin.hatenablog.com/

  帆人の古代史メモ    http://blog.livedoor.jp/hohito/

  邪馬台国探偵団              http://yamataikokutanteidan.seesaa.net/

  霊(ひ)の国の古事記論 http://hinakoku.blog100.fc2.com/