縄文ノート58(Ⅵ-8) 多重構造の日本文化・文明論
日本の「未開・古代」の歴史区分は「石器→縄文→弥生→古墳」時代の4段階説、民族論は「縄文人(北方説・南方説)→弥生人(長江流域江南人説・朝鮮人説)」の二重構造説(征服説を含む)、宗教論は「自然崇拝→アマテラス太陽神」崇拝説、農耕論は「狩猟漁撈採取→水田稲作」説、建国は「天皇家の大和朝廷」説が定説でした。
これに対して、私は時代区分は「石器―土器―鉄器」時代説、民族論は「ドラヴィダ海人・山人族を中心とした多DNA民族」説、宗教論は「海神・地神・天神の霊(ひ)・霊継(ひつぎ)宗教」説、農耕論は「焼畑→水辺水田→水利水田」農耕説、建国は「スサノオ・大国主一族による葦原中国」建国説を提案してきました。
なお、世界の文明史から考察するとわが国では「石器時代」は「木器・石器時代」に変更し、DNA分析と言語分析、インダス文明の関係を整理すると「ドラヴィダ海人・山人族」としていたのは「ドラヴィダ系海人・山人族」と修正する必要があると考えるにいたりました。
また、「ドラヴィダ系海人・山人族の内発的自立的発展説」からの言語論「倭音倭語・呉音漢語・漢音漢語」や「和魂漢才・和魂洋才」の3重構造から考えると、わが国では「文化・文明転換説」は成立せず、図のように「文化・文明重層構造説」で分析すべきではと考えています。
まだ全面展開できてはいませんが、バウムクーヘン型で文化を積みあげきた日本列島人の歴史の解明は、世界の共同体時代の歴史・文化の解明に寄与できる「世界標準モデル」となる可能性があると考えています。
210222 雛元昌弘
□参考□
<本>
・『スサノオ・大国主の日国(ひなこく)―霊(ひ)の国の古代史―』(日向勤ペンネーム)
・『邪馬台国探偵団~卑弥呼の墓を掘ろう~』(アマゾンキンドル本)
<雑誌掲載文>
2017冬「ヒョウタンが教える古代アジア”海洋民族像”」(『季刊 日本主義』40号)
2018夏「言語構造から見た日本民族の起源」(『季刊 日本主義』42号
2018冬「海洋交易の民として東アジアに向き合う」(『季刊日本主義』44号)
2019春「漂流日本」から「汎日本主義」へ(『季刊 日本主義』45号)
<ブログ>
ヒナフキンのスサノオ・大国主ノート https://blog.goo.ne.jp/konanhina
ヒナフキンの縄文ノート https://hinafkin.hatenablog.com/
帆人の古代史メモ http://blog.livedoor.jp/hohito/
邪馬台国探偵団 http://yamataikokutanteidan.seesaa.net/
霊(ひ)の国の古事記論 http://hinakoku.blog100.fc2.com/