ヒナフキンの縄文ノート

スサノオ・大国主建国論から遡り、縄文人の社会、産業・生活・文化・宗教などの解明を目指します。

縄文ノート18 ドラえもん宣言(海人・山人ドラヴィダ族宣言)

 7月下旬から3カ月弱、縄文社会研究会・東京の八ヶ岳合宿を挟んでほぼ閉じこもりになり、日本語起源論と日本列島人起源論に集中し、DNA・言語・農耕・宗教・生活文化の分析を中心にこれまでの諸研究の成果を総合し、縄文人と倭語の起源がインド原住民のドラヴィダ族(5000年前頃からインダス文明を作り上げ、後にアーリア人に支配され南部に移住)であるとの結論に達しました。16000年前頃からの「縄文人のルーツはドラえもん(海人・山人ドラヴィダ族)である」というのが私の揺るがぬ現時点での結論です。

 その前の3万年前頃に琉球と北海道に到達した旧石器人のルーツについては、「北方系」「南方諸島系」「北方ドラヴィダ系と南方ドラヴィダ系」の3説で悩みましたが、最終的に他の諸部族の遺伝子を取り込んだ「「北方ドラヴィダ系と南方ドラヴィダ系」という結論に達しました。

 ただし、日本列島には東南アジア、中国・朝鮮、シベリアから多くの漂流民・移住民が一貫して渡来し(毎年5人とすれば3万年で15万人あまり)、言語は「倭音倭語」に「呉音漢語・漢音漢語」が加わった3重構造を持つ多DNA・多文化民族になり、この多様性と独自性のある日本列島人の歴史からこそ、国際社会の中での未来を考えるべきと思っています。ヨーロッパ西端の辺境のイギリスから産業革命が始まり、アジア東端の日本がアジアでなぜ最初に近代化をなしとげることができたのか、アフリカから大移動を行ってきた7万年の歴史からさらに未来を考えたいと思います。

 インドネシア・トバ火山大噴火による7万年前頃の寒冷期(トバ事変)による食料危機に直面し、「主語-動詞-目的語」言語族がアフリカからシナイ半島を経て北に「出アフリカ」をはたしたのに対し、アフリカの角、今のエチオピア火山地域にいた「主語-目的語-動詞」言語族は、海岸を東進してインド大陸に移住し、原住民のドラヴィダ族となります。

 その後、1万年ごとの急速な温暖化と寒冷化の影響を受け、Y染色体Ⅾ系統を持つ「海人ドラヴィダ族」は東インドミャンマービルマ)海岸部に移住し、温暖化になった4.2万年前頃にその一部は山岳地帯に移住して「山人(やまと)ドラヴィダ族」となります。

 そして4万年前頃からの寒冷期にチベットからバイカル湖畔(ブリヤート族:モンゴル族のルーツ)、さらにシベリアの草原を経て3万年前ころに北海道に移動した一群と、山を下りて海人系ドラヴィダ族と共同でインドネシア・フィリピンを経由し、3万年前頃に竹筏で日本列島まで移住した、火山性の黒曜石文化を持った旧石器人がいたと考えます。

 さらに温暖化によりスンダランドが水没の危機を迎え、1.6万年前頃に日本列島に竹筏と丸木舟でやってきた多くの一群があり、彼らこそが日本人の遺伝子で多数を占める縄文人となったと考えます。日本がインドネシア・フィリピン・台湾のような多言語・多文化の「主語-動詞-目的語」言語族の多民族国家にならなかったのは、北と南から同じドラヴィダ族族が合流したからと考えます。

 なお、朝鮮半島あるいは長江(揚子江)流域からの大人数の弥生人朝鮮人・中国人)が移住し、縄文人征服を征服したという説が見られますが、人や稲のDNA分析や稲作に関わる多くの単語が漢語・朝鮮語ではなく、ドラヴィダ語系の倭語であることからみて、これらの説が成立しないことは明らかです。

 ブログで、順次、明らかにしていきたいと思いますが、気候変動などの危機に対し、リスクを恐れない冒険心と勇気、探究心にあふれた日本列島人の先祖たちは、アフリカ大陸を出て南廻りの「海の道」からは7次に渡る移動を行い、「主語-動詞-目的語」言語の東南アジア諸民族の文化を吸収しながら日本列島にたどりつき、島国という地理的障壁に守られながら閉じ籠ることはなく、活発に交易・交流を行い、中国文化を吸収しながら内発的自立的な独自の発展をとげてきました。

 後にインドで生まれた仏教を中国・朝鮮経由で取り入れ、原神道と融合したのは、インド原住民のドラヴィダ族系というルーツと無関係ではないと考えます。

 今、気候変動の環境・食糧危機や、グローバリズム(世界単一市場化)による格差拡大に伴う民族・地域紛争や宗教戦争、自然と生命、共同性を軽んじる拝金・拝物主義が心配されていますが、今こそ、自然破壊の機械文明社会、大国中心の国際分業格差世界から、世界に開かれた各国・地域の内発的・自立的発展を進める開かれた汎地域主義(グローカリズム)、自然・生命主義への転換が求められ、その共通価値の確立に向けて人類史から考えてみたいと思います。

 浮世・憂世離れした老人の妄想と思われるかもしれませんが、これから先の「半減期1万年、無害化10万年」のプルトニウムの歴史を考えてみると、そんなに遠い昔のこととは思えません。

 なお、これまで書いてきたものに修正点がいろいろ出てきましたので、いくつかの論点をクリアしてから修正したいと思います。

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日本列島人の移動

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Y染色体Ⅾ系統の移動